ネットと小説の関係
田牧大和という作家をご存知ですか。
この方は、インターネットで小説を公開しているのが、プロ編集者の目にとまり、さらに小説現代長編新人賞を受賞してデビューしたという女性時代小説家です。
私も読ませていただいたのですが、そのリズム感のある流麗な筆致には、ぐいぐい引き込まれるものがあります。また、時代小説をよく読みこんでいるらしく、人物造形やプロットの組み立てなどが絶妙です。惜しむらくは、オリジナリティがあまり感じられないところですね。
いずれにしても、次代を担う作家の一人であることは間違いありません。
それにしても、インターネットで小説公開とは驚きました。
今ではこうしたデビューの仕方もあるのですね。
田牧さんレベルの方が、どうして大賞にチャレンジせずにそうした方法を選んだのかは謎ですが、「こうした方法を取る方は珍しいのでは―」と思いつつ、ネットで探してみると―。
驚きました。
これほど多くの方々が、自作をネットで公開しているのですね。
玉石混交なのはもちろんですが、どうしてこれだけ多くの方がネット上で公開という手段を選ぶのか不思議です。
自費出版でなくても、いいものであれば出してくれる版元は多いはずです。
現に、私もそうでした。
そこから、いかにメジャーどこに這い上がっていくかが勝負となるわけですが、最初の一歩はマイナーからでいいのではないかと思います。
それにしても、せっかくのアイデアなどをネット上で公開してしまっては、もったいないと思うのは私だけなのでしょうか。
それとも、私などには想像もつかない深慮遠謀があるのでしょうか。
謎は深まるばかりです。
誰か理由を知っていたら教えて下さい。