『疾き雲のごとく』のコメントがAMAZONにでました


まったく出なかったので、不思議だったのですが、ようやく出ました。
しかも、星はフルマークついていたので、ほっとしました。
しかし、その中味は厳しいものでした(笑)。
星も五つくれたし、よく読んでいただいたようなので、まずは感謝せねばならないと思いますが、批判に対してはちょっと疑問もあります。
そこて、多少、反論をしたいと―。
AMAZONを見てから読んで下さい。

第一節
要約すると、「宗瑞は破滅の記号」ということで、「宗瑞が現れると、その男は必ず破滅する」ので、予定調和的で「これほど面白くない小説はない」ということですが、だいたい歴史小説なんてそんなもんじゃないですかね。誰がどうなるなんて、たいていは知っているはずだし。元々、知らない層を対象に書いているわけではないんですよ。
もっとも「稀なる人」の今川氏親は破滅しませんし、「かわらけ」の主役の若い僧にも、いい人生が開けているはずです。

第二節
要約すると、「冬のソナタ」と「高校日本史B」が組み合わさっているようで、文章が不協和音を奏でているとのことですが、これはあくまで感じ方なので、何ともコメントのしようもないのですが、それを計算してやっている面もあるわけです。それが読みにくければ失格ですが、津本先生からも「独自の筆技」ということで、おほめに与っています。だいたい津本先生はよほどのことがない限り、帯コピーなんて書いてくれないんですよ。

第三節
「歴史考証に意味がない」ということですが、小説ですからその通りなのですが、読者に時代背景などをよりご理解いただきたいがために、あえて解説を入れているわけです。だいたい「箱根山の守護神」の解説は大森氏の系図と神仏混交像の解説だから、そんなに「意味がない」こともないはずです。

第四節
「欠点は多いものの文章の流麗さはそれをカバーしてあまりある」とのことで、おほめに与っております。今後の作品も期待されちゃってます(笑)。
星も五ついただいたし、感謝ですね。
「高校日本史B」というところから考察すると、三十代以下の方ですね。
若い方に読んでいただき、正直、うれしいです。

でも、この短編群でお楽しみいただきたいのはストーリーテリングの妙味なのです。
与えられた材料を、史実という制限の中で、いかに料理するかが、腕の見せ所となるわけです。
例えば、「北条五代すべてで、同じように六編づつの短編を書いてみろ」と言われても、絶対に書けるのです。
しかも、もっとすごいアイデアが出てくるかもしれません。
実際にはそんなアホなことはしませんが、それがストーリーテラーというものなのです。
仍如件