『ノーカントリー』を見ました

 昨日、『北条氏照 秀吉に挑んだ義将』の最終原稿を出してきました。いつもそうなのですが、推敲に推敲を重ねた最終ゲラを版元に送る時は、出撃していく僚機を見送るような気持ちになります。まさに「頼んだぞ!」と言って、「送り出す」心境です。
 いずれにしても、達成感に浸りつつ、早くも次の原稿に取り掛かりました。

 さて、少し余裕ができたので、WOWWOWでトリダメしておいた中から「ノーカントリー」という映画を見ました。内容については、様々なサイトに出ているので、そちらを御覧下さい。この映画は、何とアカデミー作品賞まで獲っているのですね。
 コーエン兄弟の映像技術やアーティストとしての才能は素晴らしいものを感じさせますが、それもみんなが書いているので割愛。
 私が言いたいのは、こんな「癒されない」、「後味の悪い」、「寂寞とした」、「救いのない」映画が、これだけ評価されるアメリカという国の素晴らしさです。アメリカには感動誘発装置のようなベタな音楽流して、観客に感動を無理強いするようなどこかの国のワンパターンな映画など存在せず、こうしたドローンと澱んだような空気感を持つ映画が評価されるのですね。すばらしい!
 ということで、昨日、私の手元に『戦国奇譚 首』が届きました。
 早速、83歳のおふくろが勇んで読み始めたところ、最初の一編を読んだところで、気分が悪くなったとのこと。しかし、どうしても止めることはできず、三編続けて読んでしまったとのこと。むろん、さらに気分が悪くなったとのこと(笑)。
 蛍光灯に照らされた書店の片隅に仕掛けられた爆弾に気をつけろ!
(本当は、正面に平積みしてほしいのですがね)