『北条氏照 秀吉に挑んだ義将』予約開始!



7月初旬、今年の第二弾『北条氏照 秀吉に挑んだ義将』が発売されます。
一部のネット書店では、すでに予約受付が始まりました。
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/AAY28666/
ちなみに、定価700円というのは誤りで、820円です。
こちらを見て、私も初めて知ったのですが、帯コピーは以下の通りです。
「小田原北条氏100年の歴史が終わる時、最後の輝きを放った男がいた! 理念を貫き、秀吉に敢然と立ち向かった北条氏照の生涯を描く」
うまくまとまっていますね。
この作品は、今までの読者の期待に最も応えた作品傾向になっていると思います。しかも、得意の群像劇という形式ではなく、単一視点で通史的描き方をしているので、よりわかりやすいと思います。
角川から出した二作同様、流し読みはできない内容ですが(笑)、戦国史ファンであれば、じっくりと腰を据えて読んでくれさえすれば、かなり「お腹いっぱい」になっていただけると思います。
この作品は、デビュー作『戦国関東血風録』のリライト作業から始めたのですが、最終的には、ゼロベースで書き出せばよかったと思うほど、手を加えています。徹底的に史実を検証した末、自分なりの解釈を織り交ぜた上で、小説的意匠を施しました。ですから、記録に残されていないものは想像で補ったとはいえ、史実からは、それほど離れていない妥当性のあるものとなっているはずです。つまり、「小田原評定って、確かにこんな感じで進んでいったのだろうな」といった印象を持っていただけると思います。
執筆中、「氏照は描きにくいな」と、つくづく思いました。タカ派の筆頭であり、結果的にも、北条家を滅亡に導いてしまった張本人ですからね。
正直、現代的価値観からすれば、リベラル穏健派の氏規の方がよほど書きやすいのです。実際に、『虚けの舞』で、存分に描きましたし―。
それでも、氏照を描く意義はあります。どこかの国の首相とは反対に、ぶれることない理念を抱き、それを貫いて生きることがいかに大切であるかを、みんなに知っていただきたいからです。
うまく立ち回って生き残った武将が、いかにも男の中の男のようにもてはやされる昨今、堂々と理念を貫き、堂々と死んでいった氏照こそ、われわれが現代社会を生き抜く上での指針となってくれると信じています。
氏照ブームが起きてくれると嬉しいのですけどね(笑)。
写真は、書家の方からいただいた「首」の原本を額装したものです。