秋の日の雑感とビートルズ・ボックス

急速に秋の風情が町を包み始めましたね。私が執筆作業している部屋の窓から見える木々も、あっという間に葉を落とし、秋の装いになりました。山城の恋しい季節です。
SW最終日は、家内と子供二人が『カムイ外伝』を観に行ってしまったので、生まれて初めて、一人で目的のない散歩というものをしてみました。普段は、スポーツジムに行くのですが、最近、ひじを怪我してしまい、痛くて水泳さえもできないのです。
うちの場合、自宅が横浜の中心地にあるので、イタリア山公園まで10分程度で登り、外人墓地を通って、新たにできたアメリカ山公園に行ってきました。ここは、埋め立て前は海岸線に突出した岬だったらしく、貝塚も発掘されたようです。「まさに舌状台地!」という地形が城好きには泣かせます。おそらく直下には集落と船溜まりがあったのでしょうね。帰りは元町を通ったのですが、チャーミングセールとやらで、凄い人出に閉口しました。
秋の夜長はビートルズ・ボックスを聴いています。一周りめはヘッドホンで聴き、二周り目はダイレクトにスピーカーから聴いています。こちらの方が音のメリハリが利いている気がします。リミッターをかけまくっているらしく、ピークのバラツキが少なく安定しています。この辺りは、一般向けですね。
リマスタリング効果により、音像がくっきりしてきたので、今までよく聴こえていなかったバッキングギターやリズムセクションなんかも、よく聴き取れます。思わずベースやドラムの音を追ってしまうほどです。 ポールはすごいベースラインばかりです。ジョージのタブラやシタールもはっきりわかります。これらのエスニックな楽器の魅力が爆発したと言ってもいいでしょう。
 しかし、何と言っても、のびのびした歌声が驚きです。一部にボーカルは、それほど以前と差がないという話もありましたが、高音の伸びなどに、かなりリマスタリングの効果があると思いました。
 それぞれのアルバムに付いてくるガイドブックの写真も見たことのないものが多く、紙ジャケのコーティングもきれいです。製作サイドが、この仕事にかなりの愛情をもって取り組んだことが感じられるできです。惜しむらくは、日本語版ライナーノーツの内容がイマイチな点かな。
CD化は22年ぶりだそうですが、それまで皆さん、旧い音で聴いてきたのですね。何とももったいない話です。私の場合、いつかこの日が来るのを待ち続け、ビートルズのCDを買わないできた甲斐がありました。
それぞれの曲が様々な思い出を呼び覚まし、至福の時間を過ごしています。