『天下人の失敗学 すべての人間は四つの性格に分類できる』紹介第二弾!

世の中には様々な方法で日々の糧を得ている人がいますが、外部との関わりなく生活の糧を得ている人はたいへん少なく、誰しも何らかの形で、他人と関わり合いを持ちながら生きていると思われます。そうした中で、誰しも最も頭を悩ませているのが人間関係です。従来、この人間社会最大の難題に対して、明確な答えを出した書物を、管見ながら私は知りません(デール・カーネギーの『人を動かす』くらいですね)。
 「まさかそれをやろうってわけじゃないですよね」なんて声が聞こえてきそうですが、不肖伊東潤が果敢にもその命題に挑んだのが本書です。
 「まあ、話半分ね」なんて声も聞こえてきそうですね。こうした処方箋本は、しょせん著者の個人的経験を元にして、随筆風にさらりと書いたものがほとんどです。本書も確かに個人的経験を元にしている部分もあります。しかし、読者に「話半分ね」と言われないために、理論の根拠を”歴史(四人の天下人)”に求め、矛盾なくきっちりと理論を構築しているところに特長があります。
 「なるほど、読者を取り巻く人間関係をよくするために、何らかの教訓を歴史から引っ張ってきたわけね。そいつは教条主義的で退屈だ」と思われた皆さん、それは誤解です。だいたいこうした教訓本は、「何となくためになったな」といった納得度は高いものの、実際は身についていないのです。
 「そうか、その方法論を生活習慣の中に定着させるために、何か特定のめんどうな方法を取らされるわけか。それは嫌だな」と思った皆さん、ダイエット法でもあるまいし、決まった方法を身につける必要などありません。
 あなたはありのままでいいのです。ただ何ヶ所か、ちょっとだけ気をつけるだけで、驚くほど人間関係がよくなり、天下人(成功者)の道が歩めるのです。
 奥歯にものの挟まったような言い方ですいません。でも、今日のところはこのあたりにしておきます。本書の内容については、少しずつ触れていきます。
 今日は「天下人たちの失敗についてあれこれ論評したものではなくて、人間関係に関する実用的なものか」とだけご認識いただければ結構です。