勝間和代と香山リカ(成り行きが楽しみです♪)


『天下人の失敗学』が発売され、二週間ほど経ちましたが、おかげさまで、書店様からの引きが強いようで、版元在庫はほとんどなくなったようです。もちろん、ここから実売がどれだけあるかによって、返品率が決まりますので、ぬか喜びはできません。少なくとも、書店様の目利きの方々には、おおむね好評のようです。
天上人の世界では(笑)、香山リカさんの勝間和代さん的生き方批判本『しがみつかない生き方』が、売れているようですね。
勝間さんの本を読んだことはあるのですが、その発想の根源に、「とんでもない勘違い」があって、失笑の連続でした。確かに勝間さんは成功者で挫折を知らないのでしょうね。だから発想の基点がすべて「成功者である私」なのです。稀にいらっしゃいますが、「凡人の哀しみ」なんてものには、一生涯、共感なんて抱かないのですよ、こういう方は―。
しかも勝間氏の場合、かなり女性特有の発想が強く、とにかく視点はすべて「私」です。これでもかこれでもかと、胃液吐くまで「私の場合は」の連続です。他人なんてものを深く洞察しようなんて考えたことがないのでしょうね。カツマー本を読んでいる最中、「こんな生き方ができたら楽だろうな」なんて考えたことを思い出します(爆)。
私はブームの頂点の頃に読んだのですが、「これは一年後には、相当バッシングされるな」と思っていたら、その通りになりつつあります。もっとも、すでに十分稼いだので、「嫌ならいいわ」状態でしょうけど(笑)。
同じ「生き方本」のライターとして、勝間氏がイチローだとしたら、私なんてベイスターズブルペン捕手のようなものです。だけど、ブルペン捕手は投手に気持ちよく投げてもらうために、人の心の隅々まで知ろうとします。一流投手でなくても、それなりによさを引き出します。投手の辛さも共感できます。何と言っても、主役は投手(読者)なのですから。
『天下人の失敗学』はそんな本ですが、それでよろしかったら、ぜひ手に取って下さい。凡人は凡人なりに、うまく生きていきましょうや。