【告知】鉢形城オフ開催のお知らせ

秋も深まり、肌寒くなってきましたね。
私は7月に痛めた左肘が完治せず、得意のウエイト・トレーニングができず参っています。
おかげで体重が激増したので、ここのところ散歩を日課としています。
かなり歩いても疲れなくなったので、これからの城めぐりが楽しみです。

ということで、「後北条氏歴史探求会」今年最後のイベントを開催いたします。
会の発足以来、小田原、八王子、八王子搦手、滝山と、活発にオフ会をやってきましが、今回は氏邦クンの鉢形城に行きます。
mixiの「お城めぐりしよう!」コミュとの合同なので、また20名くらいの参加が見込まれています。

                                                                                                                                                          • -


集合時間:11月14日(土) 時間調整中
集合場所:鉢形駅
内容:鉢形城の見学と特別展を見学します。
鉢形城北条氏康の三男・氏邦の居城で武蔵北部の北条氏の拠点として
重要な城でした。その鉢形城をボランティアガイドさんと私の解説で散策します。
歴史館の特別展「北条安房守と真田安房守」も合わせて見学する予定です。
なお、特別展の詳細はコチラ。
http://www.town.yorii.saitama.jp/modules/xfhachi/article.php?articleid=48

今回は初心者向けの内容を目指しますので、ツウな方は少々物足りないかもしれ
ません。
案内役:鉢形城ボランティアガイドと伊東潤
募集締切:11/7
必要なもの:歩きやすい靴、交通費、資料館代、資料(コピー)代
宴会の参加、移動手段(車or電車)を明記願います。 基本は公共機関の利用を考
えてます。

参加ご希望の方は私までメールにてご連絡ください。
jito54@hotmail.com
参加資格はとくにありません。
みなさまの参加をお待ちしております。

写真は、歴史館の玄関にあった氏邦のハリボテ(笑)。

『武田家滅亡』が文庫化されます


あの不朽の名作(笑)、『武田家滅亡』が文庫化される運びになりました。
いまだのハードカバー(三刷り)の在庫が残っていると思っていたので、発表を手控えていましたが、すでにセブンアンドワイに、『武田家滅亡』の文庫化が発表されていました。
http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/R0459160
定価は820円(とのこと)、発売はこの12月23日となります。
 ここに来られている方の大半は、すでに読了だと思いますので、あえて買ってくれとは言いませんが(笑)、この機会に、ご友人方にご紹介いただければ幸いです。
 実は、この七〜八月は『武田家滅亡』の手直しに精力を傾けておりました。本来は、不自然な”視点スイッチ”と「そして」、「しかし」を減らすだけにするつもりだったのですが、『北条氏照』執筆時、試行錯誤の末に身に付けた「文庫向け文章の追求」をここでもやりたくなり、予想外の工数をかけてしまいました。角川の編集から苦情が出るほどの手直しをやってしまいましたが、この方が、文庫読者からの支持が絶対に得られるという確信があります。
 文庫読者は電車の中などで読む機会が多いので、「ためになって面白い」という私の執筆ポリシーの「ためになる」部分を削減し、「面白さ」をさらに引き出すためのスピード感を増すように務めました。ラストが近づくにつれての「怒濤感」は格段に増しているはずです。長くなるので(笑)、どこをデジタル・リマスターしたのか、要点だけ箇条書きします。

・ 文章のリズム感を大切にするため、「そして」や「しかし」といった接続詞を減らす
・ ラストが近づくにつれて、ウンチク解説部分を減らし、ぐいぐい前に引っ張っていく感じを強める(ですからウンチク好きの方はハードカバーで正解)
・ 表記統一の徹底、難しい漢字を減らし標準表記に則った読みやすい文章にする

つまり、文学的なケレン味を後退させ、さらっと読めるようにリマスターしたわけです。ゴツゴツした肌触りの歴史小説がお好きな方以外は、文庫版がオススメとなります。
こうしたリマスターって、他の作家さんはあまりやらないのでしょうかね。
私が暇なのかな(笑)。

「大乱歩展」に行ってきました


本日は「大乱歩展」を見に、横浜近代文学館に行ってきました。
http://www.kanabun.or.jp/te0162.html
皆さんもよくご存じだと思いますが、江戸川乱歩は日本の探偵小説の始祖と言える方です。そのペンネームが、エドガー・アラン・ポーからきているのは有名な話ですね。
私も乱歩の大ファンで、高校時代には横溝正史森村誠一とともに、最もよく読んだ作家の一人でした。そんなわけで、その懐かしさもあって行ってきたのですが(家から文学館は徒歩10分だし)、戦前戦後当時の文壇の雰囲気が伝わる展示品の数々を心ゆくまで堪能しました。
 つらつらと書いていても、読んでいただけないので(笑)、要点だけピックアップします。

・当時は文壇の付き合いがかなり濃く、互いに刺激しあいながら、新しいアイデアを生み出していたという事実に驚かされました。今は皆、蛸壺状態なので、どの作家もパターン化していますね。作家同士の交流が大切のようです
・小説家はマメでないと務まらないことがわかりました。乱歩の資料整理にかける執念は異常です。私もマメですが、もっとマメになろうと思いました
・文壇の付き合い、友人との頻繁な手紙の交換、外国文学の原書での読書などをしながら、よくあれだけの量の作品を残せたのか不思議です。取材効率と執筆時間の短さは異常です。作家は、無駄な時間をいかに削っていくかが勝負だと痛感しました
・乱歩は今でも読まれ続けているので幸せですが、一緒に集合写真などに写っている、あまり名の知られていない文士の方々は、すでに作品も活字の海底に沈み、二度と日の目を見ることはないのでしょうね。そう思うと、自分のやっていることに虚しさも感じます。でもまあ、東野圭吾だって三十年後に残るとは思えないけど(笑)。
・乱歩は天才型ではなく努力型の作家でした。才能は「何かにピンとくる」というレーダー機能にあったようです。つまり、友人のとの会話の断片や新聞記事にインスピレーションを得て、それを拡大していく才に恵まれていたようです。やはり天才か(笑)

ということで、いろいろ思うところのある展示でした。
乱歩の浅草趣味というのも、何かノスタルジックな味わいがあっていいですね。
ツンドクになるのを承知で、図録も買わずに代表作を何冊か買い込みました。この秋は三十年ぶりの乱歩を堪能しようと思います。

『天下人の失敗学 すべての人間は四つの性格に分類できる』紹介第二弾!

世の中には様々な方法で日々の糧を得ている人がいますが、外部との関わりなく生活の糧を得ている人はたいへん少なく、誰しも何らかの形で、他人と関わり合いを持ちながら生きていると思われます。そうした中で、誰しも最も頭を悩ませているのが人間関係です。従来、この人間社会最大の難題に対して、明確な答えを出した書物を、管見ながら私は知りません(デール・カーネギーの『人を動かす』くらいですね)。
 「まさかそれをやろうってわけじゃないですよね」なんて声が聞こえてきそうですが、不肖伊東潤が果敢にもその命題に挑んだのが本書です。
 「まあ、話半分ね」なんて声も聞こえてきそうですね。こうした処方箋本は、しょせん著者の個人的経験を元にして、随筆風にさらりと書いたものがほとんどです。本書も確かに個人的経験を元にしている部分もあります。しかし、読者に「話半分ね」と言われないために、理論の根拠を”歴史(四人の天下人)”に求め、矛盾なくきっちりと理論を構築しているところに特長があります。
 「なるほど、読者を取り巻く人間関係をよくするために、何らかの教訓を歴史から引っ張ってきたわけね。そいつは教条主義的で退屈だ」と思われた皆さん、それは誤解です。だいたいこうした教訓本は、「何となくためになったな」といった納得度は高いものの、実際は身についていないのです。
 「そうか、その方法論を生活習慣の中に定着させるために、何か特定のめんどうな方法を取らされるわけか。それは嫌だな」と思った皆さん、ダイエット法でもあるまいし、決まった方法を身につける必要などありません。
 あなたはありのままでいいのです。ただ何ヶ所か、ちょっとだけ気をつけるだけで、驚くほど人間関係がよくなり、天下人(成功者)の道が歩めるのです。
 奥歯にものの挟まったような言い方ですいません。でも、今日のところはこのあたりにしておきます。本書の内容については、少しずつ触れていきます。
 今日は「天下人たちの失敗についてあれこれ論評したものではなくて、人間関係に関する実用的なものか」とだけご認識いただければ結構です。

『天下人の失敗学 すべての人間は四つの性格に分類できる』紹介第一弾!


いよいよ10/20、講談社プラスアルファ新書から発売されます。カバーもできました。「シンプルかつ力強いものを」という要望を、版元に叶えていただきました。
内容については、おいおい話していきますが、今日はタイトルとカバーについて。
新書は、メジャー版元のものだけでも、全体で月に100〜150冊ほど出ていて、「平置き」してもらえる期間も限定されます(2週間〜1ヶ月)。その限られた期間内に波に乗らないと「売れないダメ本」ということになってしまいます。しかも書店に陳列されている「面出し」(表紙が陳列されていること)本に、お客さんの視線が行くのは0.5秒とのことです。
この0.5秒が勝負の分かれ目となります。
お客さんの目が行くのは、タイトルとカバーのふたつ―。
(もちろん著者名にも目は行きますが、こればかりはどうにもなりません)
タイトルとカバーに凝り過ぎると失敗の因になります。メインタイトルはシンプルで「おっ」と思わせるものが有効。今回の場合、「天下人」という言葉で戦国時代を扱っていることを匂わせ、「失敗学」という言葉で「ありたきりの成功譚や教訓」ではないことを打ち出しています。
サブタイトルは内容を端的に表す必要があります。「四つの性格とは何か」という疑問を抱かせるのもコツです。まあ誰でも直感的に、信長・光秀・秀吉・家康とわかるので、「なるほど」となるわけです。
つまり、「そうか、四人四様の性格的欠点があったわけか」ということになるわけです。
ちなみにこのタイトルは編集担当の考えたものです。
カバーデザインは、一目で「売り」の部分が打ち出せていれば、凝ったものは不要なのです。女性ライターなどはセンスのいいものを求めてしまうので、その時点で敗色濃厚となります。特に今回は、新書の「王道を往く」ものにしたかったので、大正解でしょう。
でもこれって、実は信玄なんです(笑)。

憂慮

ここ一、二年、ひじょうに心配になってきたことがあります。それは三十を過ぎた方々の<オタク>化現象です。世の中、あまりにアニメ、ゲーム、アイドルの話題が溢れ過ぎていませんか。それもいい年こいた方々が、そうしたものに時間と資金をかけ過ぎていませんか。今までは「人のことはどうでもいい」と思ってきたのですが、すでに日本の文化が失われる危険水域に達していると思います。
四十五歳を超えてからとみに思うのは、「人に与えられた時間は限られている」ということです。私も若い頃は、ウインド・サーフィンをはじめとしたスポーツに没頭し、多くの時間を費やしてきました。友人と呑むのも好きでした。でも、今更ながら思うのは、そうした時間を読書に充てていれば、どれほど人間的に成長できたかです。そうした楽しいことを思い出すほど、「時間の使い方を誤ったな」と、今では悔やんでいます。
若い方も仕事は忙しいでしょう。週末は友人と呑みたいでしょうし、休日にはゲームでもやってくつろぎたいでしょう。でも、あなたが無為なことにかけている時間を、少しでも人間的な研鑽にかけるべきなのです。そうすれば、人生が異なる角度から見えてくるはずです。
正直申し上げて、今の若い方々には上昇意欲がないように感じます。われわれの若い頃は、無理して難しい本を読み、無理してプログレを聴き、無理してアート映画を観ていました。初めは虚勢でも、向上心なきところに成長はないのです。難しい本でも無理して読んでいれば、そのうち読めるようになるものです。そのチャレンジを已めてしまっては、何のために人間をやっているのかわかりません。知的冒険ができることこそ、人として生まれた甲斐があるというものじゃないでしょうか。
おかげさまで、今では無理してやってきたものすべてが趣味になりました(笑)。
わかりやすく申し上げると、「クレヨンしんちゃん」なんてものに、大の大人が感動するのはおかしいのです。あれは「子供向けアニメにしてはがんばっているね」程度のものでしょ。あなたの感性は、それで大丈夫なのですか。
こうしたことは書きたくなかったのですが、已むに已まれぬ思いから書きました。不愉快になられた方もいらっしゃるかも知れませんが、ひらにご容赦下さい。反論をお待ちしております。

秋の日の雑感とビートルズ・ボックス

急速に秋の風情が町を包み始めましたね。私が執筆作業している部屋の窓から見える木々も、あっという間に葉を落とし、秋の装いになりました。山城の恋しい季節です。
SW最終日は、家内と子供二人が『カムイ外伝』を観に行ってしまったので、生まれて初めて、一人で目的のない散歩というものをしてみました。普段は、スポーツジムに行くのですが、最近、ひじを怪我してしまい、痛くて水泳さえもできないのです。
うちの場合、自宅が横浜の中心地にあるので、イタリア山公園まで10分程度で登り、外人墓地を通って、新たにできたアメリカ山公園に行ってきました。ここは、埋め立て前は海岸線に突出した岬だったらしく、貝塚も発掘されたようです。「まさに舌状台地!」という地形が城好きには泣かせます。おそらく直下には集落と船溜まりがあったのでしょうね。帰りは元町を通ったのですが、チャーミングセールとやらで、凄い人出に閉口しました。
秋の夜長はビートルズ・ボックスを聴いています。一周りめはヘッドホンで聴き、二周り目はダイレクトにスピーカーから聴いています。こちらの方が音のメリハリが利いている気がします。リミッターをかけまくっているらしく、ピークのバラツキが少なく安定しています。この辺りは、一般向けですね。
リマスタリング効果により、音像がくっきりしてきたので、今までよく聴こえていなかったバッキングギターやリズムセクションなんかも、よく聴き取れます。思わずベースやドラムの音を追ってしまうほどです。 ポールはすごいベースラインばかりです。ジョージのタブラやシタールもはっきりわかります。これらのエスニックな楽器の魅力が爆発したと言ってもいいでしょう。
 しかし、何と言っても、のびのびした歌声が驚きです。一部にボーカルは、それほど以前と差がないという話もありましたが、高音の伸びなどに、かなりリマスタリングの効果があると思いました。
 それぞれのアルバムに付いてくるガイドブックの写真も見たことのないものが多く、紙ジャケのコーティングもきれいです。製作サイドが、この仕事にかなりの愛情をもって取り組んだことが感じられるできです。惜しむらくは、日本語版ライナーノーツの内容がイマイチな点かな。
CD化は22年ぶりだそうですが、それまで皆さん、旧い音で聴いてきたのですね。何とももったいない話です。私の場合、いつかこの日が来るのを待ち続け、ビートルズのCDを買わないできた甲斐がありました。
それぞれの曲が様々な思い出を呼び覚まし、至福の時間を過ごしています。